水が動けばベイトも動く(湖流と風の動きからベイトの動きを推測する)

2017年10月19日

琵琶湖と取水塔
琵琶湖でバス釣りをする上でよく耳にする言葉として「湖流(こりゅう)」というものがある。当記事は湖流の説明と、湖流と風がベイトにどのように影響を与えるのかについて考察した結果をまとめたものである。

博学聡明な読者には当たり前のことしか書いていないが、「自分の頭の中を整理するため」と「今まで湖流、風を意識したことが無かった人向け」に書いた次第である。ご容赦願いたい。

  • 湖流を引き起こす要因は、風、熱、流入・流出、水深、摩擦力など多岐にわたっており、その発生メカニズムは非常に複雑なものである。当記事では発生メカニズムについては取り扱わない。
  • 湖流は琵琶湖以外の湖でも発生するが、当記事では琵琶湖の湖流についてのみ取り扱うこととする。

湖流とは何か?

その字の通り「湖における水の流れ」のことである。琵琶湖の湖流は主に北湖(琵琶湖大橋より北の水域)で発生する。湖流は、「環流」、「内部波」、「吹送流」といった様々な水の流れの総称である。

琵琶湖の湖流について詳しく知りたい人は、以下のサイトを参照願う。

【参考】船頭小唄 -びわ湖(琵琶湖)の湖流について-

還流(かんりゅう)

環状の水の動き。以前は、北湖には3つの還流が存在すると考えられてきたが、近年の研究により現在では2つの環流が安定して存在することがわかっている。北から順に第1還流(反時計回り)、第2還流(時計回り)と呼ばれており、流れの速度は毎秒20cm 程度である。

吹送流(すいそうりゅう)

風によって一時的に生じる湖流。一般に、風速の2~3%の大きさの湖流が生じると言われている。

湖流と釣果の因果関係

さて、本題である湖流と釣果との関係について説明する。一般的に、湖流が当たる場所(岬など)は好ポイントと呼ばれる。「水通しが良くて常に新鮮な水が供給されるから」という理由がよく挙げられる。

ここでは「ベイト(小魚)の動き」と「バスの回遊」という観点で、湖流が当たる場所が好ポイントといわれる理由を考察する。

結論を先にいうと以下の通りである。

  1. 岸に当たった湖流が、ベイトのエサとなるプランクトンなどを湖底から巻き上げる
  2. 別の場所にあったエサが湖流に流されて岸際に寄せ集められる
  3. 巻き上がり、集まってきたエサを捕食するためにベイトが集まる
  4. 湖流に乗って回遊してきたバスが行く着く先にベイトが集まっている。

湖流が当たる場所はベイトの食事場?

湖流が岸に当たることで、湖底の土砂の中や小石の隙間に潜んでいるようなプランクトンなどのエサが水中に巻き上げられる。また、別の場所から湖流によってエサが運ばれてくる。

ベイトはこれを知っていて、効率的に捕食するために湖流が当たる場所に移動するのではないだろうか?つまり湖流が当たる場所(岬)はベイトの食事場であるといえる。

湖流に乗って移動するバス

湖流が当たる場所にベイトが集まるのを知っているバスは、そこへ移動して捕食したいはず。しかも体力をあまり使わず楽して移動したいはず。

よって、バスは湖流に乗って移動(回遊)すると考えられる。体力をあまり使わず、楽に移動できからだ。さらに、ディープエリアから流れてきた湖流がシャローにぶつかると、上昇流という上向きの流れに転じる。この流れに乗っていると、ディープからシャローへの移動も楽にできる。

ちなみに、深場に居付くワカサギといったベイトも、ディープからシャローに移動するのに上昇流を利用しているようだ。

たどり着いた先には食事場

そうやって湖流に乗ったバスがたどり着く先は、湖流がぶつかる岬などの場所、ベイトが大量にいる場所である。そこはシャローでもあり、ベイトを追い込むのに好都合な場所。楽に移動できる上にベイトが大量で捕食しやすい。

こんな理由から湖流がぶつかる場所には魚が集まると考えられる。どうだろうか?常に湖流がぶつかるポイントもあるが、風が吹いたときだけ湖流が発生する場所もある。水がうねって動いているようなときはチャンスである。ベイトの動きとバスが回遊する動きを想像しながら、水があたる場所で釣りをしてみてはいかがだろうか?

追い風の方が良く釣れる?

湖流とは直接関係ないが、補足として「追い風が吹いているときの釣果」について説明する。(ここでいう追い風とは、おかっぱりで釣りをしていて背中から吹いてくる風のこと。岸から琵琶湖に対して吹く陸風のことである。)

追い風は釣れる風なのか?釣れない風なのか?ここでもベイトの動きの観点で考えてみる。

表層の水は沖へ、中層の水は岸へ流れる

追い風が吹くことにより、風と水の摩擦力によって琵琶湖の水は沖の方へ動く。ただし、沖へ動くのは風が直接当たる表層の水である。沖に動いた表層の水を補うため、表層より下の水は岸に向かって流れるのである。

水に流されてシャローに寄ってくる魚

岸に向かって動く水の流れにより、ベイトは岸(シャロー)に寄せられる。バスにとって、捕食するのに追い込みやすいシャローにベイトが集まるのは好都合。岸へ向かう水の動きにより容易に移動できることもあり、バスもシャローへ入ってくる

このように考えると、追い風(陸風)が吹いたときはシャローで釣れるということができる。ただし、遠浅地形の場合は、陸に向かう水の流れが生じないので当てはまらないかもしれない。

すべては想像、正しいとは限らないので要注意である。

総括

ベイトを中心に考える

湖流、追い風ともに、ベイトの動きを中心に考察した結果である。捕食しないと生きていけないバスは、ベイトの近くにいるはず。ベイトの動きを想像し、ベイトを追うことでバスに近づけるはずである。

水が動くとベイトも動く

湖流によってプランクトンが巻き上げられるといったように、水が動くことによりベイトがエサを捕食しやすくなる、ということも頭の隅においておくべきだろう。

その一例として、湧水エリア。湧水エリアでは魚が付くと良く言われる。湧水の水温は年間を通してほぼ一定で安定しているから、魚が集まるという理屈である。これに加え、湧水によって巻上げられたエサを求めてベイトが集まってくる、と考えることも出来る。

取水塔の給水口付近も水が動いているはず。取水塔に魚が付く理由の一つなのだろうか?

「水が動けばベイトも動く」。湖流、風によって影響を受けるベイトの動きを想像して釣りをすれば、釣果アップに繋がるかもしれない。ありがとうございました。